近年、増加している熱中症。日常に潜む危険や救急処置など正しい知識を身につけて
暑い季節も安全に過ごしましょう。
地球温暖化にともない、近年ニュースなどでよく見聞きするようになった熱中症。
熱中症は、夏の強い日射しの下で激しい運動や作業をする時だけでなく、身体が暑さに
慣れていない梅雨明けの時期にも起こります。また屋外だけでなく、高温多湿の室内でも発症します。
症状が深刻なときは命に関わることもありますが、正しい知識があれば予防することができます。
熱中症を知り、自分でできる熱中症対策を心がけましょう。
水だけじゃダメ?
汗をかいたら塩分(ナトリウム)の補給も必要
私たちの身体には、約0.9%の食塩水と同じ浸透圧の血液が循環しています。
また汗をかいた肌をなめると塩辛い味がすることからわかるように、汗にはナトリウムが含まれています。
大量に汗をかいてナトリウムが失われたとき、水だけを飲むと血液のナトリウム濃度が薄まり、
これ以上ナトリウム濃度を下げないために水を飲む気持ちがなくなります。同時に余分な水分を尿として排泄します。
これが自発的脱水症と呼ばれるものです。この状態になると汗をかく前の体液の量を回復できなくなり、
運動能力が低下し、体温が上昇して、熱中症の原因となります。
塩分(ナトリウム)と糖分を含んだ
水分補給が効率的
熱中症予防の水分補給として、日本スポーツ協会では、0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg/100ml )
と糖質を含んだ飲料を推奨しています。特に1時間以上運動をする時は4~8%の糖質を含んだものを摂取しましょう。
冷えたイオン飲料や経口補水液の利用が手軽ですが、自分で調製するには1リットルの水、ティースプーン半分の
食塩(2g)と角砂糖を好みに応じて数個溶かしてつくることもできます。
長時間運動を続ける場合には、ナトリウム濃度をやや高くすることが必要です。トライアスロンなど長時間の運動では、
血液のナトリウム濃度が低下して、熱けいれんが起こることが報告されています。
また、糖を含んだ飲料が推奨される理由としては、腸管での水分吸収を促進することが挙げられます。
主要な糖であるブドウ糖は、腸管内でナトリウムが同時にあると速やかに吸収されます。そしてそれらに引っ張られ
水分も吸収されるというのがそのメカニズムとの事です。
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